私立探偵スペンサー流の父親、『ロバート・B・パーカー』の「初秋」。〈今週のオススメ本〉

今回の〈今週のオススメ本〉は、ちょっと前に軽く書いた、『ロバート・B・パーカー』の最高傑作「初秋」と、その10年後の「晩秋」。

両親の駆け引きの道具にされ、心を閉ざした少年ポールと、自立させようと決心する探偵スペンサーの交流。

不仲の両親が、相手を傷つけたいがための道具にされ、何にも興味を示さずただ生きているだけ、自閉症気味の少年ポール。

そのポールが気になり、自立させようと決心する探偵スペンサー。

本当の人間、大人、男になるため、スペンサー流のやり方で、ポールを前に進め、同時にポールの両親の問題も解決していく。

反対する恋人スーザンとの葛藤、邪魔立てするギャングと、それに関係しているらしいポールの父親、手助けする相棒ホーク。
そしてスペンサーは自らの行動で、ポールの自立を促していく。

この「初秋」は何回読んだかわからないほど好きな本で、“スペンサー・シリーズ”の中でもやはり1番。

スペンサーと相棒のホークは、お互い口数は少ないが絶大に信頼する同士。

ホーク曰く「なにかする、と彼が言う。必ずやるよ。」
スペンサー曰く「彼は怖い男だ。いい人間ではない。しかし、立派な男だ。」

「晩秋」はその「初秋」の10年後に出版された本で、今度は立派に成長したポールが、行方不明になった母親を探してほしいと、スペンサーのもとを訪れるところから始まる。

ポールの母親の行方を捜しながら、大物ギャングと渡り合うことになるスペンサー。

立派に自立したポールとの対比で、親離れ子離れできないギャングの父と息子。
さまざまな父親像を描きながら物語は進んでいく。

この巻で、“スペンサー・シリーズ”の中でも、相棒ホークの次くらいに大事な男“ヴィニィ・モリス”が、大きな決断をする。
その後も、“ヴィニィ・モリス”は活躍を続けるので、そういう意味でも大事な巻。

「初秋」「晩秋」は、そのまま続けて読むのがオススメ。

そしてその「初秋」の“女版スペンサー”と言ってもいいのが、“サニー・ランドル”シリーズの「家族の名誉」。

こちらも私立探偵の“サニー”が、家出した少女ミリーの自立を促していく話。
このシリーズはその後、“スペンサー・シリーズ”の人物なども登場するので、こちらのシリーズもオススメ。

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